最近、SNSや美容雑誌で話題沸騰中のPDRNとナイアシンアミドですが、この二つを併用することで得られる効果や、正しい使い方に関する情報は意外と少なくて困っていませんか。
肌再生を促すPDRNと、美白や毛穴ケアに定評のあるナイアシンアミドを組み合わせれば、エイジングケアや肌トラブルの解消に役立ちそうだと感じる一方で、塗る順番や副作用のリスクについて不安を感じている方も多いはずです。
実はこの二つの成分は相性が非常に良く、正しく組み合わせることでお互いの良さを引き立て合う関係にあります。
この記事では、話題のVTやリジュランなどの製品情報も交えながら、毎日のスキンケアに賢く取り入れるためのヒントを分かりやすくご紹介します。
- PDRNとナイアシンアミドを組み合わせることで期待できる具体的な相乗効果
- VTやリジュランなどの人気製品に含まれる成分の特徴と選び方
- 失敗しないための正しい塗る順番やレチノールなど他成分との組み合わせ方
- 肌トラブルを避けるために知っておきたい濃度や副作用に関する注意点
PDRNとナイアシンアミドの併用で期待できる肌への効果
再生美容の分野で注目されるPDRNと、万能成分として名高いナイアシンアミド。
これらを一緒に使うことは、単なる足し算ではなく、肌の奥底と表面の両方からアプローチする「掛け算」のようなケアを可能にします。
ここでは、その具体的なメカニズムと期待できるメリットについて深掘りしていきましょう。
シミ対策と美白ケアにおける相乗効果
年齢とともに気になってくるシミやくすみ。これらに対して、PDRNとナイアシンアミドはそれぞれ異なるルートでアプローチし、強力なタッグを組んでくれます。
まずPDRNは、メラニンを作る工場であるメラノサイトに対して、「メラニンを作れ！」という指令（MITF）そのものを抑え込む働きがあると言われています。工場の稼働自体をスローダウンさせるイメージですね。
一方でナイアシンアミドは、作られてしまったメラニンが肌の表面（表皮細胞）へと運ばれるのをブロックする「転送阻害」という役割を得意としています。
つまり、「作らせない」PDRNと「運ばせない」ナイアシンアミドによるダブルブロックが成立するのです。
ここがポイント！
単一の成分では防ぎきれないシミのプロセスも、上流と下流の両方から攻めることで、透明感のある肌を目指しやすくなります。
諦めていたニキビ跡や毛穴の悩みにアプローチ
大人になっても繰り返すニキビや、その後に残ってしまうニキビ跡、そして開きっぱなしの毛穴。これらは肌の「炎症」と「修復力不足」が大きな原因です。
PDRNはもともと傷の治療薬として開発された経緯があり、ダメージを受けた組織を修復する能力に長けています。
炎症で凹んでしまったニキビ跡（クレーター）のケアにおいて、肌の土台となる部分の再生をサポートしてくれる頼もしい存在です。
ここにナイアシンアミドが加わると、今あるニキビの赤みを鎮めたり、過剰な皮脂分泌をコントロールして毛穴詰まりを防いだりと、肌環境を整える役割を果たしてくれます。
「今あるトラブル」を鎮めつつ、「過去のダメージ」を修復するという、まさに理想的な役割分担ができるのです。
ハリ不足などのエイジングケアにもおすすめ
30代、40代と年齢を重ねるにつれて感じる肌のハリ不足やシワ。これは真皮層にあるコラーゲンやエラスチンが減少し、質が低下することが原因の一つです。
PDRNは「真皮の建築家」とも呼ばれ、線維芽細胞に働きかけてコラーゲンなどの生成を促し、肌の内側からふっくらとした弾力を取り戻す手助けをします。
対するナイアシンアミドは「表皮の守護者」。肌表面のバリア機能を高めるセラミドの合成を助けたり、コラーゲンが硬くなる「糖化」を防ぐ抗糖化作用を持っていたりします。
| 成分 | 主な役割 | 作用する場所 |
|---|---|---|
| PDRN | 組織修復、コラーゲン産生、血管新生 | 真皮層（土台） |
| ナイアシンアミド | バリア機能強化、美白、抗糖化 | 表皮・角層（表面） |
このように、肌の奥と表面の両方をケアすることで、全方位的なエイジングケアが可能になります。
VTやリジュランなど含有製品の成分分析
「PDRNとナイアシンアミド、別々の美容液を買って混ぜなきゃいけないの？」
と思ったそこのあなた、ちょっと待ってください。
実は、市場に出回っている人気PDRN製品の多くは、最初からナイアシンアミドが配合されている「ハイブリッド処方」なんです。
例えば、韓国コスメで有名なVT Cosmeticsの「PDRN エッセンス 100」。成分表を見てみると、PDRN（オタネニンジン由来など）だけでなく、上位にしっかりナイアシンアミドが含まれています。
また、医療美容から生まれたRejuran（リジュラン）の「ヒーラー ターンオーバー アンプル」も同様です。こちらもサケ由来のc-PDRNに加え、有効成分としてナイアシンアミドが配合されています。
メーカー側もこの2つの成分の相性が抜群に良いことを知っているからこそ、最初から混ぜてくれているんですね。わざわざ2本買わなくても、これ1本で併用効果が得られるのはお財布にも優しくて嬉しいポイントです。
成分同士の相性と敏感肌への安全性
異なる成分を混ぜる時に気になるのが「化学反応」や「pH（ペーハー）のバランス」ですよね。
ビタミンCなどは酸性に傾いているため併用に気を使いますが、PDRNとナイアシンアミドはどうでしょうか。
結論から言うと、この2つは化学的に非常に仲良しです。
どちらも中性〜弱酸性の環境で安定して効果を発揮するため、混ぜても喧嘩しません。
また、PDRN自体は生体適合性が高く、副作用が非常に少ない成分として知られています。
敏感肌の方や、レチノールの刺激が苦手な方でも比較的トライしやすい組み合わせだと言えるでしょう。
PDRNとナイアシンアミドを併用する正しい順番と注意点
相性が良いとはいえ、適当に使っていいわけではありません。ここからは、効果を最大限に引き出しつつ、肌トラブルを避けるための実践的な使い方について解説します。
効果を最大化するための塗る順番とタイミング
スキンケアの基本ルールは「テクスチャーの軽い（水っぽい）ものから、重い（油分が多い）ものへ」です。PDRNとナイアシンアミドの併用でも、この原則に従うのが正解です。
もし、それぞれ別の美容液を使う場合は、以下のような流れがおすすめです。
- 洗顔：まずは汚れを落としてリセット。
- 導入美容液（ブースター）：もし「リードルショット」などの針入り製品を使うならここ。PDRNの浸透を助けてくれます。
- 化粧水：肌を整えます。
- ナイアシンアミド美容液：水溶性でサラッとしていることが多いので、先になじませます。
- PDRN美容液：製品によっては少しとろみがあるものが多いので、その後に。
- クリーム：最後に蓋をして成分を閉じ込めます。
ただし、先ほど紹介したVTやリジュランのように最初から一緒になっているオールインワンタイプなら、化粧水の後、あるいはブースターの後にそれを塗るだけでOKです。工程が減るのは忙しい主婦にとって神ですよね。
レチノールと組み合わせる際の使い方
エイジングケアの王様「レチノール」も一緒に使いたい！という欲張りな方もいるでしょう。
実は、PDRNはレチノールとも相性が良いんです。
レチノールは効果が高い反面、A反応（皮剥けや赤み）が出やすいのが難点。しかし、PDRNには抗炎症作用や組織修復作用があるため、レチノールの刺激を和らげる「クッション」のような役割を果たしてくれる可能性があります。
使い方の順番としては、PDRNやナイアシンアミドで肌の土台とバリア機能を整えてから、レチノールを塗るのがベター。肌を守りながら攻めのケアができます。
ビタミンCも一緒に使う場合の必須知識
美白ケアに欠かせないビタミンC（特にピュアビタミンC）ですが、こちらは少し注意が必要です。
高濃度のビタミンCとナイアシンアミドを直後に重ねると、成分同士が反応して効果が落ちたり、一時的に刺激を感じやすくなったりすることがあります。
注意点
ビタミンCとPDRN+ナイアシンアミドを併用する場合は、「朝と夜で使い分ける」のが最も安全で効果的です。
- 朝：ビタミンC（抗酸化作用で紫外線ダメージを防ぐ）
- 夜：PDRN ＋ ナイアシンアミド（日中のダメージを修復・再生）
どうしても同時に使いたい場合は、ビタミンCを塗った後に時間を置き、肌のpHが落ち着いてからPDRNなどを重ねるようにしましょう。
濃度が高すぎることによる副作用のリスク
「成分が入っていればいるほど良い！」と思いがちですが、ナイアシンアミドに関しては「濃度過多」に注意が必要です。
ナイアシンアミドの適正濃度は一般的に2〜5%と言われています。しかし最近は10%、15%といった高濃度製品も増えています。
さらに怖いのが、知らず知らずのうちに重ね塗りしてしまうこと。
「化粧水にもナイアシンアミド」「PDRN美容液にも配合」「クリームにも入ってる」…
と重ねていくと、肌の上での総濃度が高くなりすぎ、赤みやヒリつき、ポツポツとした発疹（接触性皮膚炎に近い反応）が出ることがあります。
これを避けるためにも、PDRN製品を使う時は成分表をチェックし、もしナイアシンアミドが入っているなら、別途高濃度のナイアシンアミド美容液を追加するのは控えるのが賢明です。
PDRNとナイアシンアミドの併用を取り入れるコツ
最後に、この最強コンビを日常に取り入れるためのコツをまとめます。
PDRNとナイアシンアミドの併用は、肌の「再生」と「守り」を同時に叶える理にかなったケア方法です。しかし、大切なのは「引き算」の視点を持つこと。
PDRN製品一本の中に、すでに必要なナイアシンアミドが含まれているケースが大半です。まずは手持ちのアイテムや購入予定のPDRN美容液の成分表示をよく見てみてください。
「あ、これ一本で十分じゃん！」と気づくかもしれません。
欲張ってあれこれ重ねるよりも、質の良いハイブリッドな一本を選んでシンプルにケアすることが、結果的に肌への負担を減らし、美肌への近道になります。
ぜひ、ご自身の肌状態に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね。
免責事項
本記事の情報は一般的な成分の性質に基づいた解説であり、全ての製品の効果を保証するものではありません。肌に合わない場合は使用を中止し、皮膚科専門医等にご相談ください。正確な情報は各公式サイトをご確認ください。
参考文献・公的情報源
この記事を執筆するにあたり、効果や安全性の根拠として参照した公的な研究論文や科学的データの一覧です。より専門的なメカニズムを知りたい方は、各リンク先（英語の論文サイト等）も参考にしてみてください。
| 成分・テーマ | 参照元・論文タイトル |
|---|---|
| PDRN （作用機序・再生） | Pharmacological Activity and Clinical Use of PDRN PDRNの薬理学的活性と臨床使用に関する包括的研究（NCBI/PubMed） |
| PDRN （創傷治癒） | Polydeoxyribonucleotides (PDRNs) From Skin to Musculoskeletal Tissue Regeneration 皮膚から筋骨格組織の再生におけるPDRNのA2A受容体関与（PubMed） |
| ナイアシンアミド （バリア機能・美白） | Nicotinic acid/niacinamide and the skin ニコチン酸/ナイアシンアミドの皮膚への効果とバリア機能改善（PubMed） |
| ナイアシンアミド （エイジングケア） | Topical niacinamide reduces yellowing, wrinkling, red blotchiness… 局所ナイアシンアミドによるシワ、赤み、黄ぐすみの改善効果（PubMed） |
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