PDRNとアゼライン酸の併用で肌管理!順番や注意点を解説
最近、SNSや美容クリニック界隈で話題の「PDRN」と、毛穴や赤みの救世主「アゼライン酸」。
この二つを組み合わせたら最強の美肌ケアができるんじゃないか?と気になっている方は多いはずです。
でも、いざ試そうとすると「PDRNとアゼライン酸の併用」ってどっちが先の順番なのか、レチノールやビタミンCとも一緒に使っていいのか、ニキビ跡には効くのかなど、疑問が尽きないんですよね。
実はこの二つ、性質が異なる成分同士なので、適当に重ねると肌への刺激になったり、期待する効果が得られなかったりする可能性もある、ちょっぴりデリケートな関係なんです。
今回は、そんな二つの成分の科学的な相性や、リスクを避けて効果を引き出すための安全な使い方について、信頼できる情報を整理してお話しします。
- 肌の修復と角質ケアを両立させる成分的なメカニズム
- 科学的根拠に基づいた最も安全な使用タイミングの推奨
- 刺激やpHの影響を最小限に抑える朝と夜の使い分けルーティン
- VTリードルショットやレチノールなど他成分との組み合わせ注意点
PDRNとアゼライン酸の併用が注目される理由

最近、美容好きさんの間で「攻め」と「守り」のケアを同時に行うのがトレンドになっています。アゼライン酸とPDRNは、理論上互いの欠点を補い合える理想的なペアとして注目されています。
PDRNとアゼライン酸の相性が良いメカニズム
一言で言うと、アゼライン酸が「掃除屋」で、PDRNが「大工さん」という関係です。アゼライン酸は、毛穴の詰まりを防いだり、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑制したりする「原因へのアプローチ」が得意な成分です[1]。一方でPDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)は、サケや植物由来の成分で、アデノシンA2A受容体に作用し、炎症を抑えたり組織修復を助けたりする「再生・回復」が得意な成分と言われています[2]。
この二つを組み合わせることで、アゼライン酸が肌表面のトラブル要因に対処している間に、PDRNが内側から肌を健やかに保つという、役割分担が成立します。
ニキビ跡の赤みや毛穴悩みにアプローチ
特に「ニキビ跡の赤み」や「頑固な毛穴」に悩んでいる方には、この組み合わせが適している可能性があります。アゼライン酸はメラニンの生成に関わる酵素(チロシナーゼ)を阻害したり、抗炎症作用により赤みを鎮めたりする効果が報告されています[1]。
一方、PDRNは血管新生因子(VEGF)の産生を促し、正常な血流をサポートすることで、組織の修復を早める可能性が示唆されています[2]。アゼライン酸で炎症をコントロールしつつ、PDRNで肌の土台ケアを行うことは、理にかなったスキンケア戦略と言えるでしょう。
併用時のpH影響と成分安定性の課題
ここで少し化学的なお話になりますが、非常に重要なポイントです。この二つの成分を併用する際、懸念されるのが「pH(酸性度)」の違いです。
| 成分 | 一般的な製品のpH | 安定するpH範囲 | 根拠論文 |
|---|---|---|---|
| アゼライン酸 | pH 4.0~6.0 | pH 4~6 | [1] |
| PDRN | pH 5.5~7.0 | pH 5.5以上 | [3] |
DNAやPDRNのような核酸成分は、一般的にpH 5.5以上の環境で安定していますが、pH 4.5を下回るような強い酸性環境下では、構造が不安定になり分解(脱プリン化など)が進むリスクがあります[3]。通常の化粧品レベルの酸性度で直ちにすべてが分解されるわけではありませんが、高濃度のアゼライン酸と混ぜて使用することは、成分の安定性を損なう可能性がある点に注意が必要です。
使用時のピリピリ感と好転反応の違い
アゼライン酸を使用すると、初期に「ピリピリ感(スティング)」や、一時的な肌荒れのような反応が出ることがあります。
これは成分の特性上起こりうる反応ですが、肌のバリア機能が低下しているサインでもあります。
ここにPDRNを併用するメリットは、その抗炎症作用にあります。
PDRNが肌の鎮静をサポートすることで、アゼライン酸による乾燥や刺激感を和らげられる可能性があります。ただし、以下のような症状が出た場合は注意が必要です。
【直ちに使用を中止してください】
激しい赤み、持続する痒み、強い痛みがある場合は、単なる好転反応ではなく接触性皮膚炎などの皮膚トラブルの可能性があります。自己判断せず、直ちに使用を中止し、皮膚科専門医の診察を受けてください。
VTなどPDRN配合製品の選び方
アゼライン酸と併用する場合、PDRN製品は「低刺激でシンプルな処方」を選ぶのが賢明です。
おすすめの選び方
- VT PDRN Essence 100: 植物性PDRNを使用し、無香料で保湿重視の設計。酸を含まないため併用に向いています。
- Anua PDRN美容液: ヒアルロン酸などを配合し、水分補給に特化しているものがおすすめ。
逆に、PDRN製品自体にビタミンC(アスコルビン酸)やAHAなどの酸性成分が含まれている場合、アゼライン酸との併用は刺激が強すぎるため避けたほうが無難です。
PDRNとアゼライン酸の併用を成功させる順番
では、どのように使えばリスクを抑えられるのでしょうか。科学的な観点から、最も推奨される方法をご紹介します。
効果的な塗る順番と待機時間の目安
よく「時間を置けばpHが戻るから大丈夫」という説を見かけますが、皮膚科学の研究によると、酸性の製品を使用した後の肌のpHが完全に元に戻るまでには、数時間から場合によっては数日かかることも示唆されています[4]。そのため、「15分待てば完全に安心」とは言い切れません。
もし同日に使用したい場合は、以下の手順が一般的ですが、あくまで自己責任での使用となります。
- 洗顔後、化粧水で整える。
- アゼライン酸美容液を塗る。
- 【重要】可能な限り時間を置く(刺激リスク低減のため)。
- PDRN美容液を塗る。
- クリームで蓋をする。
アゼライン酸を先に塗るのは、一般的に油分や膜を作る成分よりも先に肌に触れさせるためですが、敏感肌の方は特に注意が必要です。
朝と夜で使い分ける推奨ルーティン
pHの干渉や刺激のリスクを回避し、最も安全に効果を享受するには、朝と夜で完全に分ける「スプリットルーティン」が最も推奨されます。
おすすめルーティン(推奨)
- 朝 (AM): アゼライン酸
皮脂分泌を抑え、日中のテカリや酸化ダメージをケアします。紫外線対策(日焼け止め)は必須です。 - 夜 (PM): PDRN
紫外線やメイクの刺激を受けた肌を、夜の間にいたわり、保湿と修復をサポートします。
この方法なら、成分同士が直接混ざり合うことがなく、それぞれの長所を最大限に活かせます。
同日に使う場合のレイヤリング手順
どうしても集中的にケアしたい場合は、全顔ではなく「部分使い」で調整する方法があります。
【集中ケア手順】
洗顔 → アゼライン酸(ニキビや毛穴が気になる部分のみ) → PDRN(乾燥しやすい頬や目元、または全顔) → 保湿クリーム
アゼライン酸をスポット使いに留め、その上から鎮静としてPDRNを重ねることで、乾燥や刺激のリスクを分散させることができます。
リードルショットと組み合わせる注意点
VTの「リードルショット」などのマイクロニードル(スピキュール)製品を使用している方は、特に注意が必要です。
併用は避けるべき期間があります
専門的なガイドラインでは、マイクロニードル処置後は一定期間(数日~2週間程度)、酸や角質ケア成分の使用を避けることが推奨されています[5]。物理的にバリアが弱まった肌に酸性のアゼライン酸を使用すると、強い刺激や炎症を引き起こすリスクがあります。
自宅でのケアであっても、同日の使用は避け、肌が落ち着いている日にアゼライン酸を使用するようにしましょう。
レチノールなど他成分との併用ルール
他のアクティブ成分との組み合わせについても整理しておきましょう。
- PDRN + レチノール: 相性良し。レチノールのA反応(乾燥や皮むけ)をPDRNの保湿・鎮静作用がサポートするため、併用におすすめです。
- アゼライン酸 + レチノール: 要注意。どちらも刺激性があるため、同時使用は肌への負担が大きすぎることがあります。「朝アゼライン酸・夜レチノール」や「隔日使用」にするのが無難です。
正しいPDRNとアゼライン酸の併用で整う肌
PDRNとアゼライン酸は、正しく使えば肌管理の強い味方になります。
しかし、ネット上の「混ぜても大丈夫」「すぐ塗ってOK」という情報を鵜呑みにせず、pHの特性や肌の生理機能を理解して使うことが大切です。
最も確実なのは「朝と夜で分ける」こと。焦らずじっくりとケアを継続することが、トラブルのない水光肌への近道です。
参考文献・参照元
- [1] Kircik, L. H., et al. (2024). Azelaic Acid: Mechanisms of Action and Clinical Applications in Dermatology. Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology, 17, 2359-2372. PMC
- [2] Squadrito, F., et al. (2017). Pharmacological Activity and Clinical Use of PDRN. Frontiers in Pharmacology, 8, 224. NCBI
- [3] Gállego, I., et al. (2023). Impact of organic chemistry conditions on DNA durability in the context of DNA data storage. Nature Communications Scientific Reports, 13, 14796. PMC
- [4] Schmid-Wendtner, M. H., & Korting, H. C. (2006). The pH of the skin surface and its impact on the barrier function. Skin Pharmacology and Physiology, 19(6), 296-302. PubMed
- [5] PCA Skin. Microneedling Aftercare. PCA Skin Official
【記事作成者について】
本記事は、複数の査読済み科学論文を参考に作成されました。最新の皮膚科学研究に基づき、情報の正確性を心がけています。ただし、医師による監修は受けておりませんので、個別の判断は専門医にご相談ください。




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