この記事のPOINT☛
- 歯茎再生治療には保険適用のものがある
- 歯茎再生治療には複数の種類があり、それぞれ費用や効果が異なる
- 歯茎再生治療にはメリットだけでなく、デメリットや注意点もある
- 東京や大阪で保険適用で歯茎再生治療を受けられる歯科医院がある
歯茎再生治療、保険適用できるってホント?
費用面が気になる方も多いのではないでしょうか?
歯周病とは?歯茎再生治療の必要性
歯周病は、歯を失う原因の第1位とも言われる、決して軽視できない病気です。
歯周病菌によって引き起こされ、歯ぐきが腫れたり出血したりする初期症状から、進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、最終的には歯が抜け落ちてしまう可能性もあります。
歯周病の初期段階であれば、歯磨きや歯科医院でのクリーニングである程度改善が見込めます。
しかし、歯周病が進行し歯槽骨が溶けてしまうと、これらのケアだけでは元の健康な状態に戻すことはできません。
そこで登場するのが、歯茎再生治療です。
歯茎再生治療は、歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜といった歯周組織を再生させる治療法です。
歯周病の進行を食い止め、歯の寿命を延ばす効果が期待できます。
歯周組織再生療法とは?
歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯周組織を再生させる治療法です。
歯周組織は、歯を支える土台となる重要な組織で、歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質の4つで構成されています。
歯周組織再生療法では、歯周病によって破壊された歯周組織を、手術や薬剤を用いて再生させます。
主な治療法としては、エムドゲイン療法、リグロス療法、GTR法、骨移植などがあります。
歯茎再生治療の種類と費用
歯茎再生治療には、いくつかの種類があり、それぞれ費用や効果、患者さんの歯周病の進行度合いや状態によって選択される治療法が異なります。
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エムドゲイン療法: 豚の歯胚から抽出した成分を用いて歯周組織の再生を促す治療法です。
保険適用外のため、費用は全額自己負担となり、1歯あたり50,000円~100,000円程度が相場です。 -
リグロス療法:ヒト由来の成長因子「bFGF」を用いて歯周組織の再生を促す治療法で、2016年から保険適用となり、3割負担で治療を受けられます。
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GTR法: 特殊な膜を使って歯周組織の再生を促す方法です。
使用する膜の種類によっては保険適用となり、3割負担で治療を受けられます。 -
骨移植: 自分の骨や人工骨を移植して、失われた骨を補う治療法です。
骨の欠損が大きい場合に選択されることが多く、保険適用になる場合もありますが、使用する骨の種類や手術方法によっては全額自己負担となることもあります。
歯茎再生治療を受けるメリット
歯茎再生治療は、歯を残せる可能性を高め、歯のぐらつきや歯茎の下がり、知覚過敏といった歯周病の症状を改善する効果が期待できます。
歯茎再生治療のデメリット
歯茎再生治療は、外科手術が必要であり、痛みや腫れ、出血のリスクが伴います。
また、治療期間が長く、定期的な通院やケアが必要です。
さらに、治療効果には個人差があり、必ずしも期待通りの結果が得られるとは限りません。
保険適用外の治療法を選択する場合は、高額な費用負担も考慮しなければなりません。
歯茎再生治療の名医の見つけ方
歯茎再生治療は高度な技術と知識が必要なため、名医を選ぶことが重要です。以下のポイントを参考にしましょう。
- 日本歯周病学会の認定医資格
歯周病治療の専門知識と技術を持つ歯科医師の証です。
(認定医一覧 参考:日本歯周病学会)
- 豊富な症例数
歯科医院のホームページなどで症例数をチェックしましょう。
- 丁寧な説明
治療内容やリスク、費用について納得できるまで説明してくれる歯科医師を選びましょう。
- セカンドオピニオン
複数の歯科医院で相談し、自分に合った治療法や歯科医師を見つけましょう。
保険適用できる歯茎再生治療、リグロス療法とは?
リグロス療法の効果(保険適用)
リグロス療法の主な効果は、以下の通りです。
- 歯周組織の再生: 歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜の再生を促し、歯のぐらつきを改善します。
- 歯茎の下がりの改善: 歯周病によって歯茎が下がり、歯根が露出した状態を改善する効果も期待できます。
- 知覚過敏の改善: 歯根が露出することで起こる、冷たいものがしみたりする知覚過敏の症状を改善する可能性があります。
リグロス療法とエムドゲイン療法の違い
リグロス療法とエムドゲイン療法は、どちらも歯周組織再生療法の一つですが、いくつかの違いがあります。
特徴 | リグロス療法 | エムドゲイン療法 |
---|---|---|
主成分 | ヒト由来の成長因子「bFGF」 | 豚の歯胚から抽出したエナメル基質タンパク質 |
保険適用 | ○ | × |
臨床実績 | 比較的新しい治療法 | 1990年代から世界中で使用されており、豊富な臨床実績がある |
効果 | エムドゲイン療法に比べて骨再生効果が高いという報告もある | 歯周組織の再生を促す効果がある |
費用 | 1本あたり約5,000円〜10,000円程度(3割負担) | 1歯あたり50,000円~100,000円程度(全額自己負担) |
歯茎再生治療リグロス療法の金額
リグロス療法は、保険適用で受けられるので、リグロス単独での治療であれば、1本あたり約5,000円〜10,000円程度が目安となります。
ただし、骨移植やGTR法などを併用する場合には、費用が追加されることがあります。
歯茎再生治療リグロス療法の治療の流れ
- 検査・診断: 歯周病の状態や骨の吸収具合などを確認し、リグロス療法が適応できるか診断します。
- 歯周基本治療: 歯周病の原因となる歯垢や歯石を除去し、歯ぐきの炎症を抑えます。
- 外科処置(フラップ手術): 歯ぐきを切開し、歯根の表面を露出させます。
- リグロス塗布: 露出した歯根にリグロスを塗布します。
- 縫合: 切開した歯ぐきを縫合します。
- 定期的なメンテナンス: 定期的な通院で、歯周病の再発を防ぎ、治療効果を維持します。
治療期間は数ヶ月から1年程度かかる場合もあります。
リグロス治療が失敗する要因
リグロス治療は効果的な治療法ですが、成功には歯科医師の技術力と患者さんの協力が不可欠です。
歯科医師の技術不足や患者さんのセルフケア不足、または加齢や喫煙などの影響で歯周組織の治癒能力が低下している場合は、治療効果が得られにくい場合があります。
治療を成功させるためには、経験豊富な歯科医師を選び、毎日の丁寧な口腔ケアを心掛け、生活習慣の改善に努めましょう。定期的なメンテナンスも重要です。
リグロス治療で歯茎下がりも改善
リグロス治療は、歯周病によって溶けてしまった歯槽骨の再生を促す治療法ですが、歯茎の下がりにも効果が期待できる場合があります。
歯茎の下がりは、歯周病の進行によって歯槽骨が吸収され、歯肉が退縮することで起こります。
リグロス治療によって歯槽骨が再生されると、歯肉が再び歯槽骨に付着しやすくなり、歯茎の下がりが改善されることがあります。
ただし、歯茎の下がりの程度や原因によっては、リグロス治療だけでは改善が難しい場合もあります。
その場合は、歯肉移植などの他の治療法と組み合わせることで、より効果的な改善が期待できるでしょう。
この記事の総括
- 歯茎再生治療は、歯周病で失われた歯周組織を再生させる治療法である
- 歯周病は歯を失う原因の第1位であり、歯茎の腫れや出血、歯のぐらつき、歯茎の下がりなどを引き起こす
- 歯茎再生治療には、エムドゲイン療法、リグロス療法、GTR法、骨移植などがある
- リグロス療法は2016年から保険適用となり、3割負担で治療を受けられる
- 歯茎再生治療のメリットは、歯を残せる可能性が高まる、歯のぐらつきが改善する、歯茎の下がりや知覚過敏が改善するなどがある
- 歯茎再生治療のデメリットは、手術が必要、治療期間が長い、治療効果に個人差がある、費用が高いなどがある
- 歯茎再生治療の名医を選ぶポイントは、日本歯周病学会の認定医資格、豊富な症例数、丁寧な説明、セカンドオピニオンなど
- リグロス療法は、ヒト由来の成長因子「bFGF」を主成分とする薬剤を使用し、歯槽骨や歯根膜の再生を促進する
- リグロス療法は、歯周組織の再生、歯茎の下がりの改善、知覚過敏の改善などの効果が期待できる
- リグロス療法は、エムドゲイン療法に比べて骨再生効果が高いという報告もある
- リグロス療法の費用は、1本あたり約5,000円〜10,000円程度(3割負担)
- リグロス治療は、検査・診断、歯周基本治療、外科処置(フラップ手術)、リグロス塗布、縫合、定期的なメンテナンスという流れで行われる
- リグロス治療が失敗する要因は、歯科医師の技術不足、患者さんの協力不足、歯周組織の治癒能力の低下など
- リグロス治療を成功させるためには、経験豊富な歯科医師を選び、口腔ケアを徹底し、生活習慣を改善し、定期的なメンテナンスを受けることが重要である
- リグロス治療は、歯茎の下がりにも効果が期待できる場合がある
- リグロス治療は、基本的には保険適用だが、状況によっては保険適用外となる場合もある
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